「いつも肩に力が入っている」
「マッサージに行っても、すぐ首がガチガチに戻ってしまう」
そんな方の身体に触れると、まるで自分の身体を「落ちないように必死に支えている」ような緊張を感じます。脳が「自分がしっかり支えなければ」と、筋肉に常に命令を出し続けている状態です。
「支える」という脳の過信
私たちは、重力という巨大な力の中で生きています。本来、身体は地球に預けてしまえばいいはずなのに、思考過多になると「自分の力(ロジック)」で全てをコントロールしようとしてしまいます。
医学的に首や肩の筋肉を細分化して分析しても、その「頑張り続けてしまう脳の癖」までは解けません。必要なのは、脳から「支える」という権限を取り上げ、身体本来のセンサーにバトンタッチすることです。
ワーク:後頭部の「100kg」委託
このワークは、寝る直前、布団の上で行うのが最も効果的です。
接地面をセンサーで捉える
仰向けに寝て、後頭部が布団に触れている「一点」に意識を向けます。そこが、あなたと地球との接点です。
「支える」を放棄する
ゆっくりと息を吐きながら、こうイメージしてください。
「私の頭は、今から100kgの重さになる」
自分の筋肉で支えるのを完全に諦めて、その100kgの重みを、ただただ布団(地球)に預けきります。
沈み込む感覚を観察する
後頭部の一点が、重みで布団に深く沈み込んでいく感覚をじっと観察します。脳の仕事は「どうすれば緩むか考えること」ではなく、「沈み込んでいく感覚をただ見届けること」です。
肩から指先へ、重みが伝播する
後頭部の力が抜けると、連鎖的に肩、肘、そして指先へと重みが伝わっていきます。身体のパーツがバラバラに存在するのではなく、一つの「重たい塊」として地球と一体化していく感覚を味わってください。
思考を「重力」で塗りつぶす
「支えなくていい」と身体のセンサーが確信した瞬間、脳から首・肩への緊張命令は止まります。
思考は常に「未来」や「過去」へ飛び火しますが、重力は常に「今、ここ」にしか存在しません。身体が重力にゆだねられていくプロセスを追いかけることは、脳を今この瞬間の「全体性」に繋ぎ止める最高の修行でもあります。
頑張ることをやめた身体は、そこからようやく自発的な回復(Unfold)を始めます。