現代を生きる私たちは、一体どこにいるのだろう?
情報過多な現代社会。インターネットを開けば、無数の情報が押し寄せ、SNSを見れば、他人の「理想の生活」が目に飛び込んできます。目まぐるしく変化する環境、多様な価値観、そして次々と現れる新しい選択肢の波に、私たちは常にさらされています。
そんななかで、「今、自分はどこにいて、なにを感じているのか」「本当に自分がしたいことはなんなのか」——そう自問したときに、明確な答えが見つからず、漠然とした不安を感じることはありませんか?
私たちは、自分の「居場所」や「本当の感覚」を見失いつつあるのかもしれません。
未来が見えないのは、「今」が見えていないから
人生において、私たちは常に未来へ向かって行動し、計画を立てています。しかし、その計画の精度は、現在の立ち位置、つまり「現状把握」がどれだけ正確にできているかにかかっています。
もし、今いる場所がどこかわからないとしたら、どんなに素晴らしい地図を持っていても、目的地にはたどり着けません。方向を見失い、焦りや無力感に苛まれることもあるでしょう。「なにがしたいのかわからない」「このままでいいのか不安」といった感情は、まさに、この「現状把握ができていないサイン」なのです。
私たちは、日々、無意識のうちに多くの情報や他者の期待、あるいは「こうあるべき」という社会の価値観に流されています。その結果、自分の軸がブレてしまい、本当の自分の声が聞こえなくなってしまうのです。
頭でっかちな思考と「よくわからないもの」への恐れ
なぜ、私たちは自分の現状を把握することがこれほど難しくなっているのでしょうか?
その原因の一つは、「頭で考えすぎ、身体の感覚を無視する」傾向にあると私は考えています。私たちは、物事を論理的に分析し、理解しようと努めます。しかし、目に見えない感覚や、言葉にならない身体の声は、時に「よくわからないもの」として片付けられがちです。
そして、人は「よくわからないもの」に対して、本能的に恐怖や警戒心を抱きます。それを「スピリチュアル」という言葉でひと括りにし、距離を置こうとすることもあります。しかし、この「よくわからないから怖い」という心理は、自分自身の内側にある「よくわからない感覚」に蓋をしてしまう原因にもなっているのです。
身体が発する微細なサイン、心が感じるささやかな感情——それらを無視し続けることで、私たちは自分の最も基本的な「居場所」すら見失い、外部からの情報や他者の意見に振り回されるようになってしまいます。
あなたの未来は、「今」を知ることから始まる
現状を正確に把握することは、決して簡単ではありません。しかし、それは、あなたが本当に望む未来を描き、そこへ向かうための最初の一歩であり、最も重要な土台です。
自分自身の「居場所」を再確認し、本当の自分を取り戻すためには、外部の喧騒から一時離れ、まず「自分自身」の心と体に深く目を向ける必要があります。
次回は、そのための「自分と繋がる」方法について、さらに深く掘り下げていきます。