前回の記事「アンワインディング①」では、私たちが身体を道具のように扱っていること、それは思考優位から身体に意識を向けることをおろそかにしている状態であり、思考から身体を解放することでより自由を体感できるプロセスがあることを書きました。今回はそれを深掘りしていきます。
5リズムで起こる身体の神秘体験
私は2018年からコンシャスダンスの5リズムを躍っています。5リズムとは、フローイング、スタッカート、カオス、リリカル、スティルネスの5のリズムを躍っていきます。この5つは、Unfolding Bodyworkで大切にしている5エレメントでもあり、人生を客観的に捉える指標でもあり、人生そのものでもあります。
5リズムを躍っていると、思考から身体が解放されてどんどん自由になっていくのですが、ときどき不思議な現象に入っていくことがあります。それは躍ろうとしなくても身体が勝手に動き出す、いわゆるトランス状態に入っていくのです。この状態になると、心地よいだけでなく、すべてひとつであることを体感するのです。瞑想でも身体の境目が消えてすべてと一体感を感じる大洋感情という現象がありますが、こういった神秘体験をすると身体の可能性が大きく広がります。
Unfolding Bodyworkとアンワインディング
Unfolding Bodyworkでは、身体と対話していくなかで、身体がどう動きたいのかを感じ取りながらサポートしていくことで、身体が勝手に動き出すアンワインディングという現象が起こることがあります。これは小さい単調な動きから大きなダイナミックな動きへと変化することがあります。それはまるで振り付けのないダンスのような動きです。ときには動き出したクライアントの動きを止めないように安全にベッドから下ろして床でそのダンスをサポートすることもあります。
私たちの身体には人生が表現されていて、それはまるで履歴書のようであることを、このブログでお伝えしています。さらに、前回の記事にも書いたように、どれだけ自由に躍ったとしても、その動きには人それぞれのパターンや癖が現れます。それは動きのなかにでさえ、人生のパターンが刻まれているということです。確かに生活スタイルによっては、立つ、座る、歩くなどの限られた動きしかない人も多いでしょう。アンワインディングをサポートしていくことは、身体に表れている人生の不必要なねじれや結び目をほどいていくことでもあります。
アンワインディングを体験することは、瞑想やダンスのトランス状態を体験することに近いと考えています。私自身、それらを体験していますが、アンワインディングとは、余計なものを削ぎ落とし、絶対的な自分の性質に気づくプロセスです。私たちは生まれてからずっと外の情報から学び成長していきます。それは社会に適応するために必要なことです。しかし、それは外から見た相対的な自分を認識する作業です。そのため、住む国が変われば価値観や性格が変わるように、環境が変われば自分自身が変わってしまうのです。そういった相対的な自分も必要ですが、アンワインディングを体験することで、生まれながらにもつ絶対的な自分の性質に気づき、受け入れていくことに繋がっていくように感じています。