以前、パーキンソン病を患う方が、ご家族に手を引かれてセッションにいらっしゃったことがあります。
パーキンソン病は、身体が硬直し、思うように動かなくなる難病です。私は以前、突発性血小板減少性紫斑病という、血小板が減少し、血が止まらなくなる原因不明の難病を経験しました。
難病の診断を受けると、医師も、患者さん自身も、そしてそのご家族も、誰もが「治ることを信じる」ということが難しくなってしまう現実があります。
もし、あなたの身体に意識や気持ちがあるとしたら、身体はこの状況をどのように感じるでしょうか? きっと、周りのだれからも「信頼されていない」と感じ、孤立してしまうのではないでしょうか。そのような環境では、身体が自ら回復しようとする力も、発揮されにくくなってしまいます。
「治す」のではなく、「信頼する」こと
もちろん、私は難病を治すボディワーカーでも、ヒーラーでもありません。病気を治すかどうかを決めるのは、医療的なアプローチはもちろん、患者さんご自身の内なる力、そして生きる意志です。
しかし、私がセッションでできることはあります。
それは、身体に対して、「どういう理由があるのかはわからないけれど、いまはこういう状態にある。それでも、きっと良くなる」と本気で信頼し、その可能性に寄り添い続けることです。
たった一人でも、ジャッジすることなく、あなたの身体の力を本気で信頼し、肯定してくれる人がいる。その存在が、身体にとってどれほどの喜びとなり、安心感をもたらすか。
その日のセッションは、たった40分の簡易的なものでしたが、その間に、これまで身体に溜め込まれていた、表現されてこなかった笑いや悲しみ、さまざまな感情が解放されていきました。そしてセッションが終わる頃には、ご本人が驚くほどスッキリした表情で、一人で歩いて帰られたのです。
その後、何度かセッションを重ねさせていただきました。身体の調子に波はあるものの、ご自身が身体を信頼できるようになってきたのか、どんどん表情が明るくなり、将来やりたいことをイキイキと語るようになりました。ついには、ご自身から「断薬してみようかな」という話にまでなったのです。(※私から断薬を勧めることはありません)
心配のエネルギーは、身体の力を奪う
この体験は、私自身にも改めて大きな気づきを与えてくれました。
調子が悪いとき、私たちはつい心配のエネルギーを向けてしまいがちです。しかし、この心配のエネルギーは、言葉のエネルギーと同じで、「この身体は悪くなるかもしれない」という指令として、身体から力を抜いてしまうことがあります。
あなたの身体は、決して自ら悪くなろうとはしません。 あなたの身体は、あなたのこれまでの人生を支え、常に最善を尽くしてきた、かけがえのないパートナーです。
だからこそ、ご自身の身体に日々意識を向け、「どんな状態であっても、この身体は素晴らしい」と、もっと信頼してあげてほしいのです。
Unfolding Bodyworkは、あなたがご自身の身体を心から信頼し、その内なる声に耳を傾けられるようになるための、安心できる場所でありたいと願っています。
あなたの身体は、あなたが思うより、ずっと力強く、賢く、あなたのことを深く信頼しています。