よくある奇妙な会話

 身体には悪いところも、歪んでいるところも、そもそもないのではないでしょうか。それをジャッジしているのは人の価値観です。例えば膝の痛みが続くと「足が悪い」という人がいますが、正確には足が痛いのであって、足が自分から悪くなることはないのです。そもそも身体が自分から「悪く」なることはあるのでしょうか。身体も生きることに必死で、その人の生活環境や考え方、生きてきたプロセスなど、それらに適応する最適なカタチとして、今の身体の状態を作っている、と考えることはできないでしょうか。

 そのように考えると、身体は環境に適応しているだけなのに、良いとか悪いとか、歪んでいるとか、ジャッジ(評価)されてしまうのは、何だか可哀想ですよね。それなのに身体の悪いところ探しに夢中になる人がとんでもなく多いことにビックリします。

 こういう仕事をしていると、一番よく聞かれるのが、「どこか悪いところはありませんか?」です。そう聞かれると、私はこう答えます。「ご自身ではどう感じますか?」それを聞くと、多くの方がこう答えます。「○○先生に△△が悪いと言われた」「針灸師の先生に○○が冷えていると言われた」「整骨院の先生に○○が歪んでいると言われた」などです。

 それを聞いて、私はもう一度聞きます。「ご自身ではどう感じますか?」その答えはこうです。「……わかりません」自身では体感していないのに、誰かに言われたので、それを鵜呑みにして、まったくその通りだと思い込んでしまっているようです。患者さんやクライアントさんに、「言葉」を使って何かを伝えるときは、真実だったとしても、とても気をつけなくてはいけないのですが、こういった思考の癖(思い込み)を作ってしまいます。逆に意図的にこういった思考の癖(思い込み)を患者さんやクライアントさんに植え付けることで、通ってもらおうとするところもあるようです。

そして、会話は続きます。
私:「悪いところを知ってどうするんですか?」

「治したいんです」

私:「ご自身では感じていないのに?」

 あらためて書くと奇妙さに気づくかもしれませんが、こういう会話がよくあります。頑張り屋さんで責任感の強い人に多いと感じていますが、ご自身の感覚より、他人の思考や価値観の方が優先順位が高いのだと思います。自分ではジャッジをせずに、他人にジャッジを任せた方が楽な人もいるでしょう。でも、ジャッジを任せた他人は、決してあなたの人生を背負えないし、残念ながら責任も取れません。他人の価値観(ジャッジ)は自分の価値観ではありません。例え自分のものではないものを飲み込めたとしても、それを消化するのは難しいと思います。もう少し身体の感覚や自己治癒力を信頼してあげられるといいのになぁと思います。

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